電磁気学 クーロンの法則

 クーロンは実験によって次のことを見出した。

静止した2つの点電荷の間にはたらく力は、両者を結ぶ直線の方向を向き、その大きさはおのおのの電荷の量の積に比例し、電荷間の距離の2乗に反比例する。

 

2つの電荷q_1,q_2,距離をR_{12},\varepsilon_0を比例定数をすると、

これを式に表すと

F_{12}=\frac{1}{4\pi\varepsilon_0}\frac{q_1 q_2}{R_{12}^2}

F_{12}は1から2へ与える力である。\varepsilon_0真空の誘電率といい、光速の測定から決められている。

 クーロンの法則は実験的に決められた経験則である。したがって、本当に距離の2乗なのか、またこの法則がどんなに短い距離、どんなに長い距離でも成り立つのか、自明ではない。したがってこの経験則を破れるような事例を見つけたらノーベル賞級である。

 

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クーロンの法則はこのように力の合成で表せることが分かっている。このような性質を重ね合わせの原理と呼ぶ。

電磁気学 静電場 入門 ベクトル

 

電磁気学

☆目標:初学者にもわかるように説明する!

これから電荷にはたらく力の性質について学ぶが、その力は大きさと向きを持つ量であり、このような量をベクトルという。これに対し,電荷、質量、エネルギーなどのように大きさだけを持つ量をスカラーという。

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b
a+b
a
0
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     図1 ベクトルの和 (a,bはベクトル量)

 

空間の位置は座標軸を選び、その点の座標(x,y,z)を用いて表すことができる。いちいち座標を書かず、原点からその点に引いたベクトルrを用いることができる。rをその点の位置ベクトルという。ベクトルの絶対値は二点間の距離を表し、座標との関係は

      

        R₁₂=|r₁-r₂|=[(x₁-x₂)²+(y₁+y₂)²+(z₁+z₂)²]^(1/2)

                  ↑

       スカラー

 

である。

 

単位ベクトル

長さが1のベクトル(向きだけを持つ)、単位ベクトルをとすると

 

         =r/r

 

 

ベクトルとある方向の単位ベクトルの内積をとるとその方向のベクトルが得られる。

 

 

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θ
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﷐𝑎�
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図2 x成分のベクトルa

 

ベクトル積

CA×B

AからBへ右ねじの方向であり、Cもベクトルのため向きが決まっている。

大きさは |A×B|=ABsinθ で与えられる。この式は平行四辺形の面積を表している。同じ方向のベクトル外積は面積は0のため0になる。そのため基本ベクトルi,j,kのベクトル積は

                              i×i=j×j=k×k=0

である。

 

 

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         i×j=k  j×k=i k×i=j                                                       

 

                                                                 

ベクトル積を成分表示すると

\vec{A}\times \vec{B} =( A_{x}i+A_{y}j+A_{z}k)\times(B_{x}i+B_{y}j+B_{z}k)